社会的変化は加速度を増し、将来の予測が困難な「変化の時代」に伴い、大きな転換期を迎えている「学校教育」。小・中学校の新学習指導要領が平成29年3月に公示され、育成を目指す資質・能力の三つの柱が示されました。
(生きて働く「知識・技能」の習得)
2.「理解していること・できていることをどう使うか」 (未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)
3.「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」 (学びを人生や社会に生かそうとする「力・人間性等」の涵養)」
中央教育審議会答申(平成28年12月)より |
「既知を教える勉強」から「未知を探究する学び」へ、学校の役割の変化が求められています。
この資質・能力を育成するにあたり重要視されているのが、「主体的・対話的で深い学び」です。
「主体的・対話的で深い学び」の出発点は「主体」です。
「自分はどう感じ、どう考えるのか」がすべての起点となり、そこから対話が始まり、他者への理解と自分自身の新たな気づきが生まれていきます。
特に《③「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」》という観点において正解はなく、学校教育のみならず「自分らしさとは何か」「自分はどう生きるのか」という生き方の意識そのものが問われていきます。
つまり「自分の願い」がわからないと、対立も対話も始まりません。
次に「対話」については、以下のように示されています。
子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。 身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教職員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。 中央教育審議会答申(平成28年12月)より |
教職員や地域の人など、年齢や立場を超えた多様な人たちと対話をするということは、それぞれの常識や正しさ、前提を保留し、お互いを尊重し合う姿勢が必要となります。
「対話から創る学校」へ
これまで「正解」を教える場であった学校が、「正しさ」に誘導することなく、多様な声を対等に尊重してお互いの思考を広げることは、とても有意義なことである一方、大きなチャレンジでもあります。
そのためには、まず教員一人ひとりが「主体的・対話的で深い学び」を体現すること、そして「主体的・対話的」な組織の実践が求められます。
今後、重要性を増してくるカリキュラム・マネジメントにおいても、教員同士の本質的な対話が必要になってきます。
ファミリーコンパスでは、子どもや子どもと関わる大人たちの誰もが、自己肯定感をベースとした自己探求と自己表現、他者への理解と、他者と共創造していける「主体的・対話的で深い学び」の真の実践に向けた、学校のためのサポートプログラムを提供しています。
日々の学習や行事、急な対応に追われる学校教育の現場において、時間や人材などの資源に限界があることも、教育改革に向けた大きな課題の1つです。
予測できない未来に生きる子ども達のために、学校内外の資源を有効に活用しながら、次世代を牽引する「対話から創る学校」を共に創っていきませんか?